リハ協ブログ 2021年05月

[内閣府]「改正障害者差別解消法」成立

 令和3(2021)年5月28日、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律の一部を改正する法律」が参議院で全会一致で可決、成立しました。
 改正内容は次の3点です。
①事業者に対し社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をすることを義務付ける(第14条)
 これまでは民間事業者は合理的な配慮の提供は努力義務とされていましたが義務化されました。
②行政機関相互間の連携の強化を図る(第3条)
 国及び地方公共団体は、適切な役割分担を行うとともに、相互に連携を図りながら協力しなければならないとされました。
③障害を理由とする差別を解消するための支援措置を強化する(第6条、第16条)
 地方公共団体は、地域における障害を理由とする差別及びその解消のための取組に関する情報の収集、整理及び提供を行うよう努めるものとするとされました。
 施行は公布の日から起算して3年を超えない範囲内において政令で定める日とされています。
 法律は、下のサイトをご覧ください。
 https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/menu.htm

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[WHO]「障害者のための健康の最高の達成基準」に関する決議を採択

 世界保健機関(WHO)は、2021年5月24日から5月31日まで開催された第47回総会において、公衆衛生の各分野で 30 を超える決議と決定を採択しました。そのなかで、障害者に関する注目すべき決議が採択されました。
 その決議は、5月27日に採択された「障害者の健康に関するの最高の達成基準(The highest attainable standard of health for persons with disabilities)EB148.R6」です。
 同決議は、多くの障害者が保健サービスにアクセスしようとする際に直面する重大な障壁に取り組むことによって、保健セクターをよりインクルーシブにすることを目的としています。
 内容では、次の点を強調しています。
・保健サービスへの効果的なアクセス
・健康上の緊急事態における保護
・領域を超えた公衆衛生サービスへのアクセス
 また、健康に関する政策や制度に役立つ障害に関する信頼できるデータの収集と分析を充実することも取り上げています。
 さらに、WHO事務局が2022年末までに障害者のための健康の最高の達成基準に関する報告書を作成する、国連障害者インクルージョン戦略を組織のすべてのレベルにおいて実施する、健康と障害に関する世界的な研究計画の作成を支援する、障害を含むアプローチを保健分野に取り入れるために必要な技術に関する知識と能力構築の支援を加盟国に提供するなど、さまざまな行動を求めています。
 詳しくは、下のサイトをご覧ください。(寺島)
https://www.who.int/news/item/27-05-2021-a-new-landmark-resolution-on-disability-adopted-at-the-74th-world-health-assembly

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[文化庁]著作権法の一部を改正する法律が成立

 令和3(20201)年5月26日、「著作権法の一部を改正する法律案」が参議院本会議において採決され、全会一致で可決成立しました。
 今回の法改正は、①図書館関係の権利制限規定の見直しと、②放送番組のインターネット同時配信等に係る権利処理の円滑化の2つを内容としています。改正の概要は下のとおりです。
1.図書館関係の権利制限規定の見直し
①国立国会図書館による絶版等資料のインターネット送信
 国立国会図書館が、絶版等資料のデータを、図書館等だけでなく、直接利用者に対しても送信できるようにする。
 これまでは、国立国会図書館からのデータは、各図書館に行って閲覧しなければなりませんでしたが、絶版その他これに準ずる理由により入手困難な資料は、利用者が直接受け取れるようになります。
②各図書館等による図書館資料のメール送信等
 図書館が、現行の複写サービスに加え、正規の電子出版等の市場を阻害しないこと(権利者の利益を不当に害しないこと)、データの流出防止措置を講じることなど一定の条件の下、調査研究目的で、著作物の一部分をメールなどで送信できるようにする。その際、図書館等の設置者が権利者に補償金を支払うことを求める。
2.放送番組のインターネツト同時配信等に係る権利処理の円滑化
 同時配信等について、放送と同様の円滑な権利処理を実現する。同時配信等には、同時配信のほか、追っかけ配信、一定期間の見逃し配信が含まれます。
〈措置の内容〉
①放送では、許諾なく著作物等を利用できることを定める「権利制限規定」(例:学校教育番組の放送)を、同時配信等に拡充する。
②放送番組での利用を認める契約の際、権利者が別段の意思表示をしていなければ、放送だけでなく、同時配信等での利用も許諾したと推定する「許諾推定規定」を創設する。
③集中管理等が行われておらず許諾を得るのが困難な「レコード(音源)・レコード実演(音源に収録された歌唱・演奏)」について、同時配信等における利用を円滑化する。
 ⇒事前許諾を不要としつつ、放送事業者が権利者に報酬を支払うことを求める。
④集中管理等が行われておらず許諾を得るのが困難な「映像実演(俳優の演技など)」について、過去の放送番組の同時配信等における利用を円滑化する。
 ⇒事前許諾を不要としつつ、放送事業者が権利者に報酬を支払うことを求める。
⑤放送に当たって権利者との協議が整わない場合に「文化庁の裁定を受けて著作物等を利用できる制度」を、同時配信等に拡充する。
 施行日は、1.①は公布日から1年を超えない範囲内で政令で定める日、1.②は、公布日から2年を超えない範囲内で政令で定める日、2.①~⑤は、令和4年1月1日となっています。
 詳しくは、下のサイトをご覧ください。(寺島)
 https://www.mext.go.jp/b_menu/activity/detail/2021/20210526.html

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[東京都]令和3年度認証ソーシャルファームの募集開始

 令和3年5月20日、東京都は、令和3年度認証ソーシャルファームの募集を開始しました。
 東京都は、令和元年12月に成立したソーシャルファーム条例に基づき、ソーシャルファームの創設及び活動を支援しています。
 東京都による「予備認証」または「認証」を受けた事業者は、東京しごと財団から補助金が交付されます。
 ソーシャルファームの認証要件は、以下の通りです。
 ア 事業からの収入を主たる財源として運営していること。
 イ 就労困難者と認められる者を相当数雇用していること。
 ウ 職場において就労困難者と認められる者が、他の従業員と共に働いていること。
 ソーシャルファームの創設に係る「整備・改修費等」、およびソーシャルファームの運営費が補助されます。
 今年度は、認証または予備認証の取得に加えて、補助事業所(補助金の交付決定を受けた事業所)となる必要があるとのことです。
 申請に関する主なスケジュールはつぎのようになっています。
【募集開始】 令和3年5月20日(木)
【説明会】※申請にあたっては、説明会の参加が必要です。
(第1回目) 令和3年6月15日(火)
(第2回目) 令和3年7月15日(木)
【書類提出期間】
 [認証・補助申請]
  説明会日後(各説明会出席後)から8月31日(火)まで
 [予備認証・補助申請]
  令和3年9月27日(月)から10月15日(金)まで
【認証決定、補助金の交付決定(予定)】
 [認証]
  面接審査(申請日の翌々月実施)の翌月1日以降
 [予備認証] 
  令和4年1月末以降
 詳細は下のウェブサイトをご覧ください。
(東京都ホームページ)
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2021/05/20/09.html
 また、認証や補助金に関する要件、申請方法等の詳細は以下の東京しごと財団ウェブサイトをご覧ください。(寺島)
(東京しごと財団ホームページ)
https://www.shigotozaidan.or.jp/koyo-kankyo/joseikin/social-firm.html

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[オーストラリア]障害のある人々に対する暴力等に関する王立委員会を延長

 2021年5月13日、モリソン政府は、「障害のある人々に対する暴力、虐待、無視、搾取に関する王立委員会(Royal Commission into Violence, Abuse, Neglect and Exploitation of People with Disability)」を17か月間延長すると発表しました。
 オーストラリアでは、障害者に対する暴力が問題化しており、その実態を調査するために2019年4月に同委員会が設立されました。予定では、2022年の4月に最終報告書が発行される予定でしたが、covid-19影響で調査が中断してしまったことにより十分な調査ができないことを理由に同委員会が中間報告書により公表の延長をもとめていました。
 当初、政府は、それを認めていませんでしたが、障害者団体などによる要望を受けて、政府は予算の延長を決めたものです。
 詳しくは、下のサイトをご覧ください。
https://disability.royalcommission.gov.au/news-and-media/media-releases/disability-royal-commission-granted-extension-until-september-2023
 また、中間報告書は、下にあります。(寺島)
https://disability.royalcommission.gov.au/publications/interim-report

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[米国]第 11 巡回区控訴裁判所がWebサイトは「公共の場所」ではないという判断

 近年、米国では、アクセシブルなWeb サイトを提供しないことは、障害のあるアメリカ人法(ADA)に違反しているという訴えが多数起こされています。その内容は、ADAのタイトルⅢは、一般に公開されている場所での障害に基づく差別を禁止し、企業にアクセスの障壁を取り除くことを要求しています。そのため、ホテル、レストラン、店舗、オフィスビル、医療、法律、会計事務所など、ほとんどのビジネスはこの対象になり、スロープの設置や点字のメニューなどを用意することが必要になっています。現在問題になっているのは、WebサイトがADAの「公共の場所」に該当するのかということです。
 この問題に関する裁判は、2016 年 7 月に視覚障害のあるユァン・カルロス・ギル (Juan Carlos Gil)氏が、ウィン・ディキシー食料品チェーン店(Winn-Dixie grocery store)を訴えたことが最初です。スクリーンリーダー(視覚障害者が用いている画面読み取りソフトウェア)で同店のウェブサイトが読めなかったことから、処方箋を補充したり、オンラインクーポンをストアカードにリンクしたりすることができなかったとのことで、これはADA違反であると主張しました。
 地区裁判所は、食料品店チェーンはADAタイトルⅢに違反していると判断し、Web サイトを Web コンテンツ アクセシビリティ ガイドライン (「WCAG」) 2.0 レベル AA に準拠させることが求めました。
 この判決の結果、その後、全米で何千件もの同様の訴えが起こり、同様の判決が出されました。また、訴訟を防ぐために、多くの企業が WCAG 標準に準拠するように Web サイトを改良しました。
 その後ウィン・ディキシー食料品チェーンは上訴し、数年の審議を経て第 11 巡回区控訴裁判所が判断を下したものです。
 2021年4月7日、第 11 巡回区裁判所は、ADA のタイトル III には Web サイトを対象とする法律言語がないため、Web サイトは公共施設ではないと判断しました。すなわち、裁判所は、厳格な原文主義アプローチを適用すべきであるというものです。
 この判断が他の巡回区控訴裁判所の判断に影響するかどうかは分かりませんが、今後行われる判断が注目されます。
 正確には、下の判決文のサイトをご覧ください。(寺島)
https://media.ca11.uscourts.gov/opinions/pub/files/201713467.pdf

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[英国]「2021 年火災安全法」成立

 2021年4月27日、「2021年火災安全法(Fire Safety Act)」が成立しました。この法律は、「2005年火災安全命令(Fire Safety Order 2005)」を改正して、同命令の適用範囲を一般の集合住宅に広げるとともに、その命令自身にその規制内容を追加する権限を与えるというものです。
 この法律案は、2017年6月14日に発生した西ロンドンのノースケンジントンにある24階建てのグレンフェルタワー(Grenfell Tower)という低所得者向け高層住宅で72人が死亡し、避難できなかった障害者や児童などが多く亡くなったことを受け、このような悲劇の再発を防止するために2020年3月19日に内務省により議会に提出されました。イングランドとウェールズが対象になっています。
 具体的には、ビルの所有者は、ビルの外壁、パルコニー、外窓、および、各戸から共用スペースへのドアについて火災に対する危機管理をすること等が想定されていますが、今後エレベーターの設置や避難計画の作成などについての同様の命令を同命令により実施できることとなっています。
 詳しくは、下のサイトをご覧ください。(寺島)
 https://bills.parliament.uk/bills/2730

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